皇室が利用したことでも知られる、1950年創業の老舗高級子ども服ブランド「ファミリア」(神戸市)が、子ども服以外のブランドとのコラボに力を入れている。その結果、同社の顧客層も少しずつ変わり始めている。

 今年3月にオープンした、JR大阪駅近くの「ファミリア ルクアイーレ店」。店内に子ども服は一着もない。

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ファミリアがダンロップとコラボした雑貨=2024年6月12日、大阪市、福岡龍一郎撮影

 同社が初めて試みる、ギフトや雑貨の専門店だ。アメリカ発のアパレル「ニューエラ」に、テニス用品「ダンロップ」……。幼児とは縁の薄そうなブランドといっしょに開発したかばんやアクセサリーが並んでいた。

 「子どもが大きくなってからは遠ざかっていたけれど、最近は大人も使えるかわいい雑貨が多い」。店を訪れた大阪府藤井寺市の自営業の女性(60)はそう話す。30代になった長女とおそろいで、化粧品ブランドとコラボしたくしを買ったこともあるという。

 今年4月に阪神百貨店(大阪市)と共同で開いたイベントでは、高級アパレルブランド「アンテプリマ」「フェイラー」、化粧品ブランド「アヴェダ」「ロクシタン」などとコラボ。ファミリアの子グマのキャラクター「ファミちゃん」を大きくあしらった7万円近くのバッグが、飛ぶように売れていた。

 同社によると、数年前からコ…

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